技術ブログ

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プレス金型

プレス金型

 

               

プレス金型は、製造業界における重要なツールであり、その設計と製造は製品の品質と生産効率に大きな影響を与えます。

この記事では、金属加工プレス専門の「加藤数物」がプレス金型の基本的な知識から、その種類、設計、構成、材料、製造プロセスについて解説しています。ぜひ、参考にしてください。

また当社では、お客さまのご要望に合わせたプレス金型や加工方法についてのご相談やご提案も可能です。お気軽にお問い合わせください。

プレス金型とは

プレス金型とは、その名の通り、プレス機械に取り付けられ、金属やプラスチックといった素材を所定の形状に成型するための金型のことをいいます。

プレス金型を活用することで、一貫した品質を保ちながら大量の製品を効率的に生産することが可能です。

特に自動車部品家電製品のパーツ製造などにおいては欠かせない存在です。それぞれの製品に合わせて独自に設計・製作されるプレス金型は、その精度と製品の生産性向上に貢献しています。

プレス金型は製造業のさまざまなフィールドでその力を発揮し、我々の生活を支える製品の生産に対して大きな役割を果たしています。

プレス金型の種類

プレス金型の種類には、単発(シングル)型、順送(複合金)型、トランスファー(連続金)型があります。それぞれの特徴について詳細を確認していきます。

単発型

単発型とは、プレス金型の一種で、一つの金型で一つの製品を一回のプレス操作で成形するタイプの金型です。名前が示す通り、1ストローク(一度の上下動)で1つの製品が出来上がることから「単発」と呼ばれます。

単発型金型のメリットは、構造がシンプルであり、製造コストや設計時間を抑えることができる点です。また、製品の形状やサイズによっては、単発型の方が高品質な製品を安定して生産できるケースもあります。特に小ロットの製品や単純な形状の製品には適しています。

一方で、大量生産にはあまり向いていない傾向です。

順送型

順送型金型は連続的なプレス作業を可能にする特性を持っています。特徴は、金属のコイル素材を一定のピッチで順送しながら、各プレスステーションで段階的に成形を行うことです。

それぞれのステーションで部分的な加工が行われ、最後のステーションを経ることで製品が完成します。

大量生産に最適な金型で、生産効率の高さと高精度な製品短時間で提供できる能力から、自動車部品などの大量生産に広く利用されています。

トランスファー型

トランスファー型は、複雑な形状の製品製造に適している金型です。主な特徴は、製品の製造過程が一つの金型内で複数のステージに分けて進行する点です。各ステージで特定の成形操作が行われ、製品は次のステージに「トランスファー」、つまり移動され、最終的に完成します。

トランスファー型は、一つのプレスストロークで複数の製品を同時に製造可能であり、効率的な生産を実現します。さらに、複雑な形状や精密な製品の製造にも対応できるため、自動車部品や電子部品など、高度な精度が求められる製品の製造に広く用いられています。

プレス金型の設計

金型の設計プロセスは、製品の形状・素材・寸法・生産量…などで大きく異なります。設計段階では、CADソフトウェアを用いて金型の3Dモデルが作成され、製品の形状を正確に再現します。

さらに、設計時には製品の寿命や生産効率を向上させるために、金型の材質選択、成形面の精度、さらには冷却や潤滑システムの配置等も重要な要素となります。

全て、最終製品の品質を確保し、生産コストを最小限に抑えるために必要な要素です。

プレス金型の構成

プレス金型の主な構成要素は、アッパーダイ(上金型)ローワーダイ(下金型)です。

上下金型はプレスマシンのストロークによって相対的に動き、素材を成形します。また、パンチとダイがあり、パンチが押し下げられることで素材をダイの開口部に押し込み、製品の形状を作り出します。

さらに、ストリッパーが設けられ、成形後の素材が金型から適切に取り出されることを保証します。

その他にもガイドピンやガイドブッシュなどがあり、これらは金型の精度を保つために非常に重要です。

これら全ての部品が連携して動作し、一つの製品が成形されるわけです。このように、プレス金型の構成はその製造目的と、製品の品質を直接左右します。

プレス金型の材料

プレス金型の材料選択は、金型の耐久性、精度、そして生産効率に大きな影響を与えます。一般的に、金型の材料には高い硬度と耐磨耗性が求められ、そのために主に特殊鋼や合金鋼が使用されます。

例えば、SKD11やSKH51などの高炭素鋼や合金鋼は、優れた耐磨耗性と耐熱性を有し、高精度な金型に適しています。さらに、製品の形状や成形方法、予定される製造量によっても、適切な金型材料は変化します。

複雑な形状や大量生産を必要とする製品では、より高品質な鋼材が必要となることもあります。また、最近では、金型寿命を延ばすために、表面処理技術も重要となってきています。これらの材料選択と表面処理は、プレス金型の品質を保ち、経済的な製造を実現するために不可欠です。

プレス金型の製造プロセス

プレス金型の製造プロセスは下記のとおりです。

  1. モデルの作成
  2. 金型部分の製造
  3. 品質試験

高度な技術と厳密な工程管理が必要となります。

STEP1:モデルの作成

最初に、製品の設計図面に基づいて金型の設計が行われます。この段階では、CADソフトウェアが使用され、3Dモデルが作成されます。

STEP2:金型部品の製造

次に、選択された金型材料を用いて、金型の部品が製造されます。この製造工程では、精密な加工が必要となり、CNCマシニングセンターEDM(電気放電加工)などの高精度な機械が使用されます。加工後、金型部品は適切な硬さと耐磨耗性を得るために、熱処理が行われます。

STEP3:品質試験

その後、金型部品は組み立てられ、最終的な形状と精度を確認するための試験が行われます。最後に、必要に応じて調整が行われ、品質を確保した上で金型は完成となります。

プレス金型の性能は「品質」「生産効率」「耐久性」で決まる

プレス金型の性能は、製品の品質、生産効率、そして金型の耐久性に大きく影響します。まず、精度は非常に重要な要素であり、これは金型が製品の形状を正確に再現し、公差内に収まる能力を指します。

また、金型の寿命も繰り返し使用できるという重要な性能指標です。耐久性は金型の材質や設計、さらには使用状況に影響を受けます。

成形速度も金型の性能を測る指標で、これは製品をどれだけ迅速に生産できるかを示します。高速成形能力は、生産効率と経済性に直接貢献します。

これら全ての性能指標は、設計段階で検討され、適切な金型選択とメンテナンスによって実現されます。これらの要素が一体となり、優れたプレス金型は製品の品質と生産効率を最大化します。

プレス金型の発注は当社へおまかせ

加藤数物はものづくり歴90年を誇る企業です。愛知県豊川市で始まった小さな木工機材製作から、現在では金属プレス加工による自動車部品生産のプロフェッショナルへと成長しました。プレス金型の発注は、「柔軟な対応力」「高い技術力」「一括受注対応」の当社へおまかせください。

柔軟な対応力

当社は数個単位の試作から数十万単位での量産まで、お客様のご要望に応じた数量の製作に対応します。また、短納期での試作や設計のご要望にも対応し、必要に応じてレーザー加工を用いて簡易型を製作するなどの対応を行っています。

高い技術力

当社が誇るものづくり歴90年は、技術力の証です。特に品質精度には拘っており、お客様に品質管理の悩みを抱かせません。また、自動車のブラケット製品の受注実績は5,000件以上となり、そのノウハウを生かして最適な製造方法をご提案します。

一括受注対応

当社では製品開発段階からサポートし、ポンチ絵からデザイン提案、図面製作、試作品製造まで一貫して対応します。また、プレス加工以外の付帯加工も一括で受けることが可能です。

当社へのプレス金型のご依頼は信頼と安心をお約束します。品質と対応力、技術力で選ばれる加藤数物に是非お任せください。

お問い合わせフォームからのご相談をお待ちしております。

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